デジタルで撮影したデータから、
クオリティの高い銀塩プリント作品が制作できる
関西を中心に活動している写真家の鍛治谷直記さん。
今回、鍛治谷さんが授業を受け持つ大阪の写真学校、
ビジュアルアーツ専門学校の生徒3名といっしょに、
富士フイルムの銀塩プリントサービス「PREMIUM PRINT」に挑戦してもらいました。
本記事は「日本カメラ5月号掲載」より一部抜粋。
地方都市のレトロな光景を断片的にとらえた作品を撮り続けている、写真家の鍛治谷直記さん。
常にデジタル一眼レフやコンパクトデジタルカメラを持ち歩き、気になった風景にカメラを向ける。撮影した膨大な写真は、すべてインデックスプリントにしてファイリングし、展覧会が近づくと、片っぱしから2Lサイズにインクジェットでプリントし、そこからセレクトしてA4サイズにプリント。
実際の展覧会では、さらに絞り込んでA2からA1サイズの大判インクジェットプリントをするという。
今回はじめて、富士フイルムの銀塩プリントサービス「PREMIUM PRINT」を体験、MAXIMAグロッシーのA2サイズにプリントしてもらい、その感想をうかがった。
「色味がとても忠実ですね。
インクジェットプリントだと、どうしても色が傾き、濃度が淡くなってしまいがちですが、重厚なプリントになっています。
また、色調補正で『ラボお任せ仕上げ』を選択しましたが、絶妙なコントロールで、プリントに立体感が生まれています。日差し、赤や緑の色彩が、見たままのようなリアルな感じになっていますね。ウェブサイトでの注文も操作がシンプルなので簡単に行えて、仕上げのパネル加工までできてしまうのは、本当に素晴らしいと思いました」
写真学校で「PREMIUM PRINT」に挑戦
多くのプロカメラマンや写真作家を輩出している、ビジュアルアーツ専門学校・大阪の協力のもと、この春に2年生になる写真学科の3名の学生に「PREMIUM PRINT」を試してもらった(3名ともMAXIMAグロッシーにプリント)。普段はインクジェットプリントで作品を制作している学生たちの目に、「PREMIUM PRINT」はどのように映ったのか。その率直な感想を聞いてみた。
写真学生たちも大満足の仕上がり!
末安笑菜さん / 「主役」
私はインクジェットプリントが苦手でしたが、『ラボお任せ仕上げ』の銀塩プリントは、階調も人肌の色調もめっちゃきれい。自分でプリントしましたと言って、全部PREMIUM PRINTでプリントしたいですね(笑)。
遠藤樹弥さん / 「おめでとう、ありがとう」
日本レース写真家協会主催のアマチュア向け写真コンテストにて4輪グランプリを受賞した作品です。しっかりとした銀塩プリントで、色に重みがありますね。加工まで一括で注文できるのは、写真学生としてありがたいです。
池田万悠夏さん / 「水槽」
MAXIMAグロッシーの面質はインクジェットプリントに比べて黒に締まりがあって、しかもシャドー部が潰れていない。とてもキレイでビックリしました。さらに鍛治谷先生のプリントを見て、クリスタルペーパーでも試してみたくなりました。
自分たちの作品が、想像以上に
キレイなプリントになりました!
普段は試行錯誤しながら1枚のプリントを仕上げているという学生たちも納得のプリントクオリティ。「デジタルデータから高品質な銀塩プリントで、学生たちの制作の幅も広がると思います。また、PCやスマホから簡単に注文できるというのも、今のデジタル世代の若者たちに好都合だと思います。来年の春には、卒業制作も待っています。いい作品が期待できそうですね」(鍛治谷さん)
今回、鍛治谷さんが授業を受け持つビジュアルアーツ専門学校・大阪で、この春2年生になる、写真学科の生徒3名にも「PREMIUM PRINT」に挑戦してもらった。
「学生は日々の習作でプリントする機会が多いですが、デジタルカメラで撮影=インクジェットプリントと思っている生徒がほとんどです。デジタルデータからもクオリティの高い銀塩プリントができるとわかれば、学生たちの選択肢の幅もぐっと広がると思います」
かじたに・なおき
◉1970年兵庫県生まれ。
1995年ビジュアルアーツ専門学校卒業。
1997年コニカ新しい写真家登場入選。
2003年キヤノン写真新世紀優秀賞受賞。
国内外で写真展多数開催。
写真集に『Jpeg』(蒼穹舎刊)がある。2019年6月にはドイツでのグループ展に出品。http://kajitaninaoki.com
文・状況写真=編集部 2019年5月号より
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