Emiのコラム- vol.42

<後編>50代の今、大事にされていること。ちょっと先を行く先輩、上大岡トメさんに伺いました。

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2022/04/15

2022/04/15 TwitterFacebook

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「みつかる、私たち家族の“ちょうどいい”暮らし」をコンセプトにOURHOMEを運営する、Emiです。

前回、ミリオンセラー『キッパリ!たった5分間で自分を変える方法』(幻冬舎)など、イラストレーターとして幅広くご活躍されている上大岡トメさんに、子育て時代のお話やお子さんが20歳になってからの写真整理のことについて伺いました。

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今回お届けするのは、「40代からの趣味や、50代の今大事にされていること」について。なんとトメさんは、43歳からバレエをはじめられて、今でも発表会に出られているそう! 人生のちょっと先をゆく憧れの先輩として、たくさんのお話を聞かせていただきました。

43歳から、バレエをスタート

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Emi
ーートメさんは、どうして43歳からバレエをはじめようと思われたんですか?

トメさん
「32歳の時に、山口県に引っ越してきたんですけど、車移動だから運動不足になっちゃって、腰痛も肩こりもすごくひどくなってしまって…。そんな時、子どもの保育園の先生がヒップホップダンスをやっていて『おもしろいですよ~』と紹介してもらったのが、まずダンスをはじめたきっかけ。32歳で人生はじめての運動!」

ーー運動のスタートがヒップホップってすごいですよね! 何かピンと来たんですか?

トメさん
「その当時はR&Bが流行ってたんじゃないかな。20年ちょっと前だから、1990年代の最後かな? ジャネット・ジャクソンとか」

ーー日本ではSPEEDとか安室ちゃんとかがすっごく流行っていた時期ですね!
それ、私が高校生でダンスを始めた時です! そっか~、同じ時期にダンスをはじめていたんですね~!

トメさん
「年齢が全然違うけど(笑)。それで、ヒップホップをはじめて、それからダンスを切れ目なくやっています」

――そこから43歳でバレエの道に進まれたんですか?

トメさん
「そうなんです。いろんな踊りをやっていて、基礎をやらないと限界だなと感じて。で、運良く近くに大きいバレエスタジオができたので、それからずっと続けています」

バレエは、頭が真っ白になれる時間。

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ーートメさんが、ダンスやバレエをやり続けている原動力は、好きという気持ちですか?

トメさん
「もちろん好きだからだし、それをやっている間は頭が真っ白になるんです」

ーー私も最近ダンスを再開したのですごくよくわかります! ダンスの振りを覚えている時って、仕事のこととか、家庭のこととか、全てを忘れる感じですよね。

トメさん
「そうそう、自分に向き合える時間はいいですよね。普段、仕事でいろんなプロジェクトが進行しているので、常に何かを考えているような状態なんで。でも、実はその漠然と考える時間がよくないなって気がついて」

ーー漠然と考える時間。

トメさん
「そう。自分で考えようとしなくても思考がどんどん流れてくるから、それだけで疲れちゃう。仕事のこと、夕飯のこと、昨日あんなことしちゃったな…だったり。だから、頭の中をリセットする時間が必要で。私の場合は、それが踊るってことなんだけど。それプラス、今自分は何を考えているのかを自覚するのもすごく大事

ーー今、自分は何を考えているのかを自覚する。

トメさん
「うん。それは、私がここ3年ぐらい意識していること。無駄なことにエネルギーを使わないように。なんでかって言うと、エネルギーは年齢とともにどんどん減っているので」

ーーぐさっ(笑)!

今じゃないことは、自然と淘汰されていくのかも。

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トメさん
「若い頃は思いついたことを手当たり次第やっても、全然大丈夫だったんだけど。これからは優先順位をつけないと、やりたいことをやる前に人生が終わっちゃう」

ーーなるほど。そうすると、30代後半の人たちも、今から優先順位をつける練習をしておいた方がいいでしょうか?

トメさん
30代、40代の方はまだエネルギーがあるので、思いついたことは全部やっておいた方がいいと思います。人にもよるとは思うけど、私の場合は、30代、40代の頃は仕事や趣味、家族のことが同時進行していました。で、どう考えてもこれできないよなぁ…と思うことがあって、優先順位をつけたほうがいいかなとも思っていたんだけど、何かが突然キャンセルされたりするんです」

ーーわぁ~! 自然と淘汰されていく感じですか!?

トメさん
「そう。例えば、今は踊る時じゃないなという時は怪我をするんです」

ーーひゃ~! すごいですね!

トメさん
「ほんとに、神様がやっているとしか思えなくて。怪我をして動けないから仕事に集中するしかなくなる。仕事が集中しちゃった時も、これ全部やりたいけど時間が足りないな…っていうときになぜか先方の都合で締め切りが延びるとか。神の手が動いてるなって思うことがすごくあるので、私はいいなと思ったことは片っ端からやっていました」

スマホの写真は、いつでも見られるけど見やしない。

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いずれも中央がトメさん

――バレエの話に戻りますと、先日発表会に出られたんですよね!

トメさん
「はい。今日はね、その発表会の写真を持ってきました~。」

――わ! 2Lサイズの大きめの写真ですね。すごいですね~!

トメさん
「去年の夏の舞台の写真なんですけど。これね、3人の共通点は同い歳なんです。みんな56歳なの」

――え~~~~っ!? みなさんスタイル良過ぎませんか?

トメさん
「ふふ、変顔した写真も撮ったの(笑)。それで、スマホで共有もしたけど、写真をプリントして渡したらすっごく喜んでもらえて」

ーー喜んでいただけるとうれしいですね! 写真をプリントして渡そうと思ったきっかけはなんだったんでしょう?

トメさん
「私ピアノもやってるんですけど、こうやって紙焼きしてくれるのね」

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ーーえ? ピアノまでされていらっしゃるんですか!?

トメさん
「そうなの(笑)。写真担当の方がいて、こうやって写真を焼いてくれるの。で、写真を焼いてもらうっていうのが、すごくいいなと思って。なんかね、スマホに入れておくと、いつでも見られると思うけど、見やしない

ーーその通りですね。“いつでも見られるって思うけど、見やしない”って、すごい名台詞(笑)。

トメさん
「(笑)。で、このピアノの写真をもらって、じゃあ彼女たちにもあげようと思って。渡したらむちゃくちゃ喜んでくれた! やっぱり目に見えるところにある写真っていいよねって

心が折れそうなときに、写真が心の炎を燃やしてくれる。

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ーー写真が目に見えるところにあって、良かったと思うのはどんな時ですか?

トメさん
「いちばんいいなあと思うのは、心が折れそうなときにまた心の炎を燃やしてくれる。写真が消えそうな心の炎を燃やしてくれるの。これ、タイトルに使えるでしょ(笑)

ーー使えます(笑)。炎を燃やしてくれるというのは、バレエのことに関してですか? それとも普段の生活のことでしょうか?

トメさん
「すべてのことだと思います。バレエの写真だったら、もちろんバレエに対する気持ちが強いけれど。私がバレエをやっていて何が良かったかというと、繰り返しの大切さを学んだこと」

――繰り返すことの大切さ。

トメさん
「コツコツやるのがこんなにも大事なんだなって。どんなに地味で目立たないことでも毎日繰り返してやると、大きな変化になっていく。写真は、それを思い出させてくれる気がします」

――続けることで見えてくる変化ってありますね。続ける大切さをトメさんのお話を聞いて改めて感じました。今日はたくさんのお話を聞かせてくださり、本当にありがとうございました!

●プロフィール

上大岡トメさん

上大岡トメさん

イラストレーター。ミリオンセラー「キッパリ!たった5分間で自分を変える方法」(幻冬舎)をはじめ、著書多数。近著に「マンガで解決!親の介護とお金が不安です」(主婦の友社)。趣味は、クラシックバレエ、ピアノ。ヨガインストラクターでもある。Instagramで「ごきげんのタネ」を連載。1965年生まれ。山口県で暮らす。公式ウェブサイト「トミカミカメト

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