Emiのコラム- vol.41
<前編>「写真整理は、子どもが20歳になってようやく…」上大岡トメさんと私の出会い、子育て時代のお話。
「みつかる、私たち家族の“ちょうどいい”暮らし」をコンセプトにOURHOMEを運営する、Emiです。
ミリオンセラー『キッパリ!たった5分間で自分を変える方法』や『のうだま やる気の秘密』(ともに幻冬舎)など、たくさんの著書を出版されている、イラストレーターの上大岡トメさん。
実は、トメさんと私の出会いはブログOURHOMEをスタートしたころ。こうしてご一緒にお仕事させていただくのは13年ぶりになります。今回はそんな上大岡トメさんに、子育て時代のお話や、お子さんが20歳になってから取り組まれた、写真整理のことを伺いました。
ふたりの出会いは16年前。
Emi
ーートメさん、今日はよろしくお願いします! あらためて、トメさんの今のお仕事を教えていただけますでしょうか?
トメさん
「はい。仕事はイラストレーターです。Webや雑誌、書籍などで、イラストを描いています。
テーマは“日常をご機嫌にすること”。私は日常を元気で、機嫌よく過ごすことがすごく大事だと思っていて。人間だから落ち込んじゃうのはしかたないんだけど、落ち込んだときに、自分を元気にする方法を知っていた方が絶対いいので、その候補になるようなものを探しては、漫画にしたり記事にしたり本にしたりしています。こんな感じでいいかしら(笑)?」
ーーはい! ばっちりです(笑)
トメさんが代表作『キッパリ!』を出版されたのが2004年ですよね。私が前職である通販会社に入社したのが2004年で、当時あちこちの本屋さんでお見かけしていました。あるとき、雑誌の記事でトメさんのご自宅が紹介されていて、すてきなカットがすごく印象的だったんです。この方が作者さんなんだ~!いつか一緒にお仕事をしたいな~と思っていたのが、2006年ごろだったと思います。
トメさん
「うん、そうですね」
――で、私がこの方とお仕事をしてみたい!と会社で企画書を出しOK をもらえることに。そしてトメさんにメールをお送りしたら、すぐお電話がかかってきたんですよ!
トメさん
「え~、全然覚えてない(笑)! 電話したの、私?」
ーー本当にかかってきたんですよ(笑)。そしてそこから一緒にカタログをつくって表紙のキャラクターを描いていただきました。今13年ぶりにこうして一緒にお仕事させていただけて本当にうれしく思っています!
忙しすぎて、全然記憶がない子育て時代。
ーー仕事と育児、家庭の両立はどんな感じでしたか?
トメさん
「その当時は、もう死んでましたよ…(笑)。もうねぇ、全然記憶がないんです、忙し過ぎて」
ーーそれでも、当時のことをご本にまとめていらっしゃいますよね?
トメさん
「そうそう! 『これでもかーちゃんやってます』ですね。本にまとめてセーフでしたね(笑)。子育て中は忙しい毎日のなかで、日々の夜ご飯、お弁当、どうすれば家族4人が健康においしく食べていけるのかということを毎日のように考えていて『前向きごはん』という本も出しました。これを見ると当時の自分の感情が蘇ってきます。私は仕事柄イラストで家族のことを残すのが多いんだけれど、たぶんそれは写真も同じで。写真を見ることで、その時の感情が蘇ってくると思うんですよ」
――そうですね!
写真整理は、子どもが20歳になってから…!
ーーお子さんの写真整理はどうされていましたか?
トメさん
「写真はですね、ずっと整理できていなかったんですが、ちょうど娘が20歳を迎えるときに、Emiさんという方がいらして(笑)」
――(笑)。トメさんからお子さんの写真整理のことでご相談をいただいて、20歳までのものを1年1枚ずつ選んだらいいと思いますよ~と提案させていただいたんですよね。
トメさん
「で、整理しました! 1年に1枚だけベストショットを選んで、そのデータが今パソコンに入っています!」
ーーわ! うれしい! その後どうなったかな~と気になっていたんです。
大人になったら、ざっくり選んでも気にならない。
ーーちなみに、ベストショットはどうやって選ばれたんですか? すごく膨大だったと思うんですけれど。
トメさん
「膨大でした! パッと見て、何枚かに絞って、そこでえいっ!て。各年1枚にしました。」
ーー素晴らしいです!
トメさん
「だってもう子どもたちも大きくなっちゃったから。今小さいときの写真を見ると、これが1997年だか98年だか、もうどうでもよくなっちゃって」
ーー(笑)。子育ての先輩にそれを言ってもらったら、みんなめちゃくちゃ気が楽になると思います! 今のママたちからは、みんな、違う月の写真が混ざるのも気になってしまう…と相談を受けることもあるんですよ。
トメさん
「ふふふ(笑)。今選ぶと、小学校低学年・高学年のくくりで十分になっちゃうから(笑)」
小学生と反抗期に見た時の、写真の感じ方はきっと違う。
ーートメさんは、あらためて子育てを振り返ったときに、アルバムがあったらよかったなと思うことはありますか?
トメさん
「あったほうがいいと思う。私から見ると幼稚園の頃って、そんなに遠い過去ではないと思うんだけど、高校生から見ると、まだ記憶がない2、3歳の頃はものすごく遠い過去に思うみたいで」
ーーうんうん。
トメさん
「時間の感覚が大人とまったく違うから、小学校6年で、幼稚園の頃からの自分の写真を見る感覚と、高校生ぐらいになってから見る感覚と、それこそ反抗期まっただ中で見る感覚と。そして本当に大人になってから見る感覚は、まったく違うと思う。アルバムはあったほうが楽しみじゃないかなと思います」
ーーそうですね。わが家は、子どもたちが物心つくころからアルバムがあるので、写真が記憶になっていっている。たぶん、本当の体験は忘れているけど、おじいちゃんからこれをもらったとか、この時どこへ行って誰と何々をしたとか写真が追体験みたいな感じで記憶になっているなと思います。
今はまだ12歳なので、素直に見る感じですけど。ここから、どんな感じになるんでしょうね。
トメさん
「ふふふ(笑)。果たしてアルバムを開くか!?ってね(笑)」
ーーそうですね(笑)! もう恥ずかしい~みたいな感じになるかもしれないですね。
トメさん
「でも、それを通り越すと、また開くようになると思うから。その変化もすごく楽しみじゃないですか」
ーーはい! すごく楽しみです!
記事中でご紹介したトメさんご家族のお写真は、トメさんが選んだ1年に1枚のベストショットです。こちらは対談後にトメさんからお送りいただきました。
なぜでしょうか、はじめて見た写真なのに、懐かしさを感じてぐっと涙が出てくるこの感じは…! どなたかのご家庭の「ふつうの日常」の写真は、あったかくて泣けちゃうものなんですね。
次回は、人生のちょっと先をゆく憧れの先輩でもあるトメさんに、「40代からの趣味、50代の今大事にされていること」などをお聞きします。
<後編>50代の今、大事にされていること。ちょっと先を行く先輩、上大岡トメさんに伺いました。
●プロフィール
*イラスト、写真4~9枚目ご提供:上大岡トメさん