写真幸福論 | 富士フイルム

熊切大輔

写真家

東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科を卒業後、夕刊紙日刊ゲンダイ写真部に入社。その後フリーランスの写真家として独立。雑誌や広告などでドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人」が生み出す瞬間・空間・物を対象に撮影する。作品としては様々なテーマ、アプローチをもってスナップ写真で東京の今を切り撮りつづけている。写真コンテストの審査や様々な写真講師なども務めており、特に高校生や大学生の写真指導など未来の写真家の育成にも力を入れている。
公益社団法人日本写真家協会会長
https://k2-labo.com/

『写真だからこそ写る幸せ』

父親が写真家であることが特別だと感じたことはありませんでした。家には作品や写真集が部屋中を埋め、まさに写真に囲まれた生活でした。そんな父の写しだす作品は常に自然で、カメラを意識しない人々の表情が切り撮られていました。そんな表現は自然と私の中に浸透していたのかもしれません。
日常にある幸せの瞬間。何気ない出来事のなかに本当の幸せがひそんでいる気がします。子どもたちの無邪気に遊ぶ姿。滑り台を二人の少年が手を取り合って駆け上っていく。しっかりと繋がった絆、シンクロする思いは強い友情という一瞬の幸せを感じているのではないでしょうか。
そんな瞬間の出来事、思いを写真は永遠に変えてくれます。写真だから描ける「幸せ」という被写体の自然な表情をこれからも追い続けていと思っています。

髙橋宣之

フォトグラファー

１９４７年: 高知市に生まれる。
１９６９年: スペイン政府名誉留学で３年間学ぶ。
１９７２年: 帰国後フリーランスになり「波」「シーランド」などの作品にとりかかる。
１９７８年: ドイツのフォトキナ展に招待出品。作品が美術工芸博物館に永久保存となる。
１９８７年: チリ・マゼラン海峡の街プンタ・アレナスに移り住む。
１９８９年: 「花鳥風月」「仁淀川」などの作品にとりかかる。
２０１０年: ＮＨＫ「仁淀川」―知られざる青の神秘―で動画および写真を発表する。

写真展多数
第6回笹本恒子写真賞受賞
公益社団法人日本写真家協会会員

『幸福の場所』

ほとんど開くことのなかった古いアルバムをめくると、二枚の写真に目がとまった。一枚は水辺で遊ぶ兄と私。もう一枚は近所のじいさんが釣った魚をのぞき込む私と兄である。どちらも父が撮影したもので、カメラをかまえたその姿を今でもかすかにおぼえている。色あせ、諧調を失いはじめた写真を見つめていると、途切れていった記憶の断片がよみがえり、なつかしさがこみあげてきた。写真には遠い風景や、物語を呼びさます力があるようだ。

黄ばんだ写真の下に三才という文字が見えるので、撮影したのは今から七十年余り前のことだと思う。当時、両親は鮎毛針の製造をしていたこともあって、我が家はことごとく川に関係した仕事で生計をたてていた。母の仕事は細かな釣り針を巻くことがおもで、いつも小さな机の前に座って作業をしていた。父はさまざまな種類の鮎毛針の考案が仕事のひとつで、ちっぽけな毛針をあれやこれやと思案していたようだ。そうしてできた針で試し釣りをするのも父の役目であり、六月、鮎漁が解禁になると父は毎日のように川に出かけた。昨夜の星空をよろこび、今朝の風を気にしながら、くる日もくる日も川の話ばかりしていた。魚を釣ることを天職とした父にとって、川は職場であり、生きる場所であったといえる。いまでも釣り竿をかついだ飄々とした父を思い出す。

そんな家庭に育った私だが、釣りなどに興味はなく、父の生き方とは全く違う写真家という道を歩むことになった。最初の十数年は土佐湾に押しよせる波涛を撮るため、波打ち際から水平線にレンズを向けた。そして、ある年から背後の仁淀川が気になりはじめ、川をさかのぼるようになった。そんなある日、私はふと父の人生と自分の人生が似ていることに気づきハッとした。私は釣り竿の代わりに三脚をかつぎ、魚籠のかわりにカメラを手にしている。すでに両親は他界していたが、私は父が見ていた同じ風景の中を、多分、父と同じような気持ちで歩いているのだ。「カエルの子はカエル」ということであろうか。私は家業に対しても、父に対しても敬意をはらうことはなかったが、今となると両親の自然観や思いが分かり、ほのかな尊敬の念を抱いている。父にとっての川は「幸福の場所」だったにちがいない。

川をなりわいとしていた我が家と同じく、私も川を撮影することをなりわいとし、いまだ飽きることなく清流にまなざしを向けている。写真の兄もすでになくなり、遠い我が家の「幸福の場所」には私一人しかいない。

三村漢

アートディレクター・グラフィックデザイナー

1978年横浜市生まれ。三村淳デザイン事務所を経て、2008年niwanoniwaデザイン&編集事務所を設立。写真集や装丁、広告や写真展構成など。写真ディレクションを得意とし、企画から印刷、販売まで関わることで、残るデザインの作り方を提唱。日本大学藝術学部写真学科講師。ナインギャラリー主宰。
http://www.niwanoniwa.com/
https://ninegallery.com/

『風の背中』

幼少期、自分の部屋の隣にある仕事部屋を覗くと父の背中がいつもあった。何かを教えてもらった記憶はほとんどない。
9歳の夏休み、父の遊びのフィールドである竹富島に初めて連れていってもらった。そこには一つ屋根の下、素潜りや、漁、自炊などをして1日をとことん遊びきる大人たちと父。夜明けは特別で、一番早く起きた人が家の周りを掃き始める。誰かが全員の朝食を作りだす。洗濯機を回す。全部に乗り遅れた人はコーヒーを飲む。寝ていたい人は寝ている。寝ていても誰も怒らない。初めての僕には奇妙な集団に映った。それは毎日繰り返された。
しばらくすると一つのルールが見えてきた。この家では、集団生活の規律を誰も強制しない。
あの夏以降、周囲の行動言動にアンテナを張って、なにをすれば最適なのか、自分で見つけるように自然と変わっていった。一番に起きて掃除したら最高に気持ちが良かった。あの感覚が味わいたくて毎年竹富島に通った。
自分が親になってから気づいた。あんなに強烈で的確な子育てはない。それで失敗したとしても、それは結果成功を導く。自分で考えた結果なのだから。
いまだに竹富島にしかいかない父。この写真はいまでも実家に飾られている。
今年、僕は写真に写る父親の歳になる。

中条望

写真家

1984年三重県生まれ。同志社大学卒業。大学在学中より活動を始めフリーランスフォトグラファーとして難民キャンプ・スラム・辺境に生きる人々の撮影と発表を続けている。主な写真展に「サゴッタ 11歳の女の子が過ごす難民キャンプ」オリンパスギャラリー東京・大阪（2019年）、「今ここで生きる:ロヒンギャ難民キャンプ」オリンパスギャラリー東京（2021年）など、他グループ展出展。毎日新聞夕刊写真特集「eye」に「共に故郷守り、生き抜くネパール地震８年(2023年4月1日付)」、「ロヒンギャ　光を求めて(2023年1月14日付)」掲載、他雑誌への寄稿。
第18回名取洋之助写真賞受賞。
公益社団法人日本写真家協会会員
公益社団法人日本写真協会会員
https://nozomuchujo.jp/

『視線』

2015年4月25日11時56分（現地時間）、ネパール・ゴルカ郡バルパック村近くを震源とするマグニチュード7.8の大地震が発生。震災以降、私はバルパック村で暮らす人々の姿に惹かれ撮影を続けている。惹かれたのは伝統を蔑ろにすることなく家族を尊び、祖先から受け継いだ大地に抱かれて生きる姿だ。その姿からは人間の持つ根源的な温かさを感じた。彼らの視線の先を追う度に、彼らと交わした視線を思い出す度に、私は温かな気持ちで満たされる。

「見ることには愛があるが、見られることには憎悪がある」作家の安部公房が『箱男』の中で述べた言葉だ。これは撮り手の一方的な視線を表した、我々が常に戒めとして心に留めておくべき言葉だと思っている。
一方でドキュメンタリー写真には、撮り手と被写体、これら双方向で交わす視線こそが重要だと考えている。それは被写体だけを捉えるものではなく、被写体との間で共有した感情をも捉えることだが、この感覚を作品に落とし込むことにいつも頭を悩ませる。自分が伝えたい思いは写し込まれているのか、被写体から受け取った思いは乗せられているのか、被写体との間に生まれた空気は捉えられているのか、これらを確認し反映させるには「写真」という形に作り上げていくよりほかない。これは精神論的な話ではなく、被写体へのアプローチを振り返りながら写真を焼き込んでいく過程で、私自身ファインダーを覗いている時には意識していなかった感覚にも気付かされる。シャッターを切る前の感覚を写真に落とし込むことは、被写体と共有した感情に再び触れることだと考えている。

私は「良い写真を撮りたい」「良い写真とは何か」、常に自問自答を繰り返しながらシャッターを切り続けている。カメラを向ける時、過酷な状況で生きる被写体というだけでなく、そこに暮らす人々の尊厳こそを掴み上げその窮状から救い上げられる、そんな写真を撮りたいと思っている。そして彼らと交わすことの出来た感情を、時や場所を飛び越えてお互いの記憶を呼び起こすことが出来る瞬間として残せた時、私は大きな幸せを感じる。
「見ること、そして見られることで心を交わすことができる」、私はそんな写真こそを撮り続けていきたい。

佐藤尚

風景写真家

1963年福井県生まれ、少年期を南米・ペルーで過ごす。山岳写真家・風見武秀氏に師事。47都道府県を車で旅しながら農村や自然や軽トラックのある風景を撮り続けている。作品を発表する傍ら、写真ワークショップ「里ほっと」を地元埼玉県の見沼田んぼで主宰。埼玉県戸田市在住。

日本風景写真家協会会員
FUJIFILMアカデミーX講師
日本学生写真部連盟指導会員

▽写真集
・「47サトタビ」（風景写真出版）
・「japan」(まむかいブックスギャラリー)
・「こころの故郷－魚沼の風景を撮る」（恒文社）

http://www.satophoto.net/

『過去と現在をつなぐ　
　写真屋さん感謝の旅』

私は学生の頃、近所の写真屋さんに出入りしていました。お店に集まる大人たちと一緒に写真の話を楽しんでいました。現在は風景写真家として活動しており、その経験が私の仕事に影響を与えていると感じています。その写真屋さんには本当に感謝しています。

コロナ禍の中、地元の写真屋さんが地域の方々の写真発表の場として、店内に新しくギャラリーを設けました。そのギャラリーを応援する気持ちで、私は最初の写真展を開催させていただきました。発表した作品は、コロナ禍で近所を散歩して撮影した道端の草や花などの写真です。その後も、その写真屋さんと地域の方々との交流のお手伝いをさせていただいています。

昔、近所の写真屋さんに可愛がってもらったことへの感謝の気持ちが、今の私が地元の写真屋さんのイベントに気持ちを込めて協力する原動力となっていると思います。

渡邉真弓

写真家

札幌市在住。大学院法学研究科を修了し大学職員として就職後、写真と出会う。
暮らしや人生と密接に結び付く写真の魅力をたくさんの人に伝えたいと2014年に独立。
以後、「写真と一緒にくらしを楽しむ」「写真と一緒に新しい出逢いや発見を」をキーワードに、写真教室、地域の魅力発信、企画・執筆など幅広く活動する。
日常をモチーフに「時の有限性」「薄れゆく記憶」について考察する作品を制作している。
X-Photographer、アカデミーX講師
京都芸術大学通信教育部美術科写真コース非常勤講師
北海道カメラ女子の会代表、フォトフェスCuiCui事務局代表
https://www.allo-japon.com/

『確かなこと』

それは早朝の出来事だった。旅先で実家からの電話。こんな時間に電話が来るのは、絶対に良くないこと。それは的中し、私は急いで飛行機を一番早い便にして、空港へ向かった。
別れは突然だ。だからこそ、あのときこうしておけばよかったと後悔が先に立つ。だけど、もうそれは遅い。過去に戻ることはできないから。そんなことはとうにわかっている年頃だし、でも、そうしてこなかった自分を悔やむ。
まだほの暗い窓の外を見ながら思う私の視線の先に一筋の光が射した。
「ああ、美しい」。思わず写真を撮った。
その瞬間、「私は一生こうして写真を撮っていく。そして、そこから逃れることはできないのだ」と、天啓のような「確かなこと」が私の中に突如としてやってきたのを感じた。
そんな風に撮った写真は、ある一定のまとまり…例えば写真展などで発表している。そこにあるのは、私の想いと、受け取った相手の想い。想いを対話という形で交換するのが、とても好きだ。
写真はファインダーを覗いてたったひとりで撮るけれど、カタチにすることで誰かと共有できる。
それはとても幸せなことだ。そこには、過去と今をつなぐ「確かな時間」があるのだから。

小山薫堂

放送作家/脚本家

放送作家。脚本家。京都芸術大学副学長。1964年熊本県生まれ。日本大学芸術学部放送学科在籍中に放送作家としての活動を開始。「料理の鉄人」「カノッサの屈辱」など斬新なテレビ番組を数多く企画。映画「おくりびと」で第32回日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第81回米アカデミー賞外国語部門賞を獲得。執筆活動の他、地域・企業のプロジェクトアドバイザー、2025年大阪・関西万博のテーマ事業プロデューサーなどを務める。熊本県のPRキャラクター「くまモン」の生みの親でもある。

※本内容は2023年12月10日オンエアのBSフジ特別番組「東京会議の写真幸福論」にて「幸福」をテーマに撮影された写真・内容を記載しております。

『常連さん』

沖縄県に唯一残る日本最南端の銭湯「中乃湯」。
その湯を守る仲村シゲさんは何と91歳。
湯沸かしから清掃まで、たった一人で運営しています。入浴料は370円。
一日の客はせいぜい十数人。
それでも仕事をやめないのは、友だちのような常連さんたちがいるからです。
中には趣味の三線を持ってくる人もいます。
風呂上がりに演奏すれば、
シゲさんも踊り出してささやかな宴が始まります。
この日は、シゲさんの記念写真を
撮影すると聞きつけた常連さんたちが大集合。
いい湯に浸かると自然と顔もほころびます。
その笑顔は、シゲさんに贈られた
幸せの花束のように見えました。

ハービー・山口

写真家

1950年東京都出身。大学卒業後ロンドンに渡り10数年を過ごす中、劇団の役者を経て写真家になる。折からのパンクロックのムーブメントに遭遇しロンドンが最もエキサイティンだった時代を体験する。帰国後もアーティストから市井の人々を撮影している。幼児期に長く病気を患った経験から、表現物のテーマを「生きる希望」とし、写真の他、エッセイ執筆、ラジオのパーソナリティー、さらにはギタリスト布袋寅泰には数曲の歌詞を提供している。大阪芸術大学客員教授。2011年度日本写真協会賞作家賞受賞。作家名のハービーは敬愛するジャズフルート奏者ハービー・マンより。

※本内容は2023年12月10日オンエアのBSフジ特別番組「東京会議の写真幸福論」にて「幸福」をテーマに撮影された写真・内容を記載しております。

『幸せなTIMEGRAPHY』

本来「PHOTOGRAPHY」とは、光が描く絵という意味です。
この企画をいただいたことで「TIMEGRAPHY」、
つまり時間を描く絵という新語を思いつきました。
私の息子たちを写した20数年前の写真が残っていたことで、
同じ場所を訪れ現在の姿を撮影しました。
こうした時間経過を得たことで、時代の変化と
家族の幸せが写った「TIMEGRAPHY」が出来上がりました。
20年後がまた楽しみです。

松任谷正隆

作編曲家/音楽プロデューサー

1951年、東京都生まれ。
20歳の頃プロのスタジオプレイヤー活動を開始し、バンド“キャラメル・ママ”“ティン・パン・アレイ”を経て、数多くのセッションに参加。その後アレンジャー、プロデューサーとして多くのアーティストの作品に携わる。松任谷由実のコンサートをはじめ、JUJU、平原綾香など様々なアーティストのコンサートやイベントを演出。また、映画、舞台音楽も多数手掛ける。
2021年バンドSKYEを結成。同年10月に1stアルバム「SKYE」をリリース。日本自動車ジャーナリスト協会に所属し、長年にわたり、「CAR GRAPHIC TV」のキャスターを務める他、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の選考委員でもある。

※本内容は2023年12月10日オンエアのBSフジ特別番組「東京会議の写真幸福論」にて「幸福」をテーマに撮影された写真・内容を記載しております。

『晩秋』

今回は幸せの重さについて考えてみました。
僕も年齢とともに感性は鈍化し、
心が動きにくくなっているのを感じます。
経験のストックが多いのも心を動きにくくさせています。
だからこそ、見つけた幸せは本当に貴重なものであり、
一生心の中に残しておきたいと思うのです。
幸せは人それぞれの、ほんの気まぐれに感じるもの。
でも誰もが言いますよね。
死ぬときまで持って行けるものは思い出だけだ、と。
そんな一瞬を写真に収めてみたいと思いました。

八幡宏

写真家

西湘在住。仕事としての撮影のほか、移住先での古民家での暮らしの撮影のほか、写真教室や、市井の人のポートレート撮影などのライフワークも活動中。

『中郡の手』

中郡で暮らす人々の手の肖像写真シリーズ。父の手が娘を支え、その手を母が支えている家族の優しさを感じる１枚は、今でも大切に家庭で飾られている。

人間には喜怒哀楽があるけど、写真って基本的には「喜」のときに撮るものですよね。「あ、いいじゃん！」「かわいい、素敵！」とか、目の前の出来事を１つずつ肯定する行為が僕にとっての写真です。特別な人に会ったり、特別な場所にいかなくたっていい、誰にとってもそういう瞬間はあるからこそ、みんながそういう風にやっていけば、ちょっと大げさに言うと、本当に世界は平和になっていくんじゃないかと思うんです。あと写真って自分が前向きかどうかのリトマス試験紙みたいなところもあって、プライベートで撮ってない時ってなんかちょっと自分の調子がよくなかったり。幾つになっても外に興味をもって、元気に写真を撮り続けられる、そんなおじいちゃんになれたらいいなと思います。

佐野史郎

俳優

1955年生まれ、島根県出身。母の実家は写真館で幼い時から写真に触れる。1975年劇団シェイクスピアシアターの創立に参加。1979年退団後、唐十郎が主宰する状況劇場を経て、1986年「夢みるように眠りたい」(林海象監督)で映画デビュー。その後、数多くの映画・TV・舞台に出演するほか、映画監督、執筆、音楽など多方面で活躍中。2023年10月14日から「佐野史郎写真展　瞬間と一日」を彫刻の森美術館で開催。

幸せを感じる一枚
『父のまなざし』

この2枚の写真に物心ついた時から惹かれていました。口紅を塗る母を撮影する父の愛情に溢れるまなざしや、当時家長として国や家の物語を背負わざるを得なかった時代を経る中で、それでも自分の物語を生きようとしている父親自身のまなざしを感じます。こうしたまなざしの積み重ねの先に、自分が存在するのだということがわかると、生かされていることがただただありがたく、人生が少しばかり楽になるような気がするんです。

母方の実家は島根県、出雲大社のお膝元の写真館。なので写真は幼い時から当たり前の存在で、特に意識することもありませんでした。写真を撮るようになったきっかけは、たまたまヨーロッパの骨董屋で入手したオールドレンズのフィルムカメラ。撮影しプリントすると、現在の空気が昔の時代のように柔らかく撮れて、未来からタイムスリップしてきたような気持ちになったんです。その時代の目がそこにある、というか、時間はレンズを通して超えられるのだなと気づいた感覚かな。今はレンズのないピンホールカメラで撮るのがとても楽しいですね。
歳を重ねることで、幸せの感覚も変わってきました。太古から続く歴史の中で、いま生かされている私たちの奇跡を感じる瞬間にこそ、幸せを感じるんです。少し前に大病を患ったのですが、とにかく生きたいともがいていました。一方で自分もこの人類の長い物語の一部なんだなと思うと、少しだけ気が楽になるんです。今、祖先が写真を撮ってくれていたことを、心からありがたく思っています。その時のまなざしがあって、今がある。写真の良さは、撮った人のまなざしがそのまま残ることではないでしょうか。そこに幸せの秘密が宿っているのかもしれません。

佐野史郎写真展
「瞬間と一日」

会期：2023年10月14日（土）～2024年1月14日（日）
会場：彫刻の森美術館　丸太広場キトキ
彫刻の森美術館2024年カレンダーのため、約1年かけて撮影した彫刻の森美術館と美ヶ原高原美術館の作品を中心に、これまでの佐野史郎の写真活動を巡る89作品が展示されます。
写真展の詳細はこちら

仲野太賀

俳優

なかの・たいが／2006年にデビューし、映画やドラマへ多数出演。現在は、ドラマ『いちばんすきな花』（フジテレビ系）に出演中。24年２月には、出演映画『熱のあとに』が公開予定。

「共にした時間を共有する」

小学生の時に貯めたお年玉で初めて自分のカメラを購入し、以来ずっと写真を撮り続けてきた仲野太賀さん。高校時代、恋人にプリントを贈ったことを振り返り、「最大限のプレゼントでした」と語った。太賀さんにとって写真は、人との関係性を深める役目を果たしている。

自らセレクトしたプリントを一枚一枚見返し、写真に込められた気持ちを話してくれた。「どれも気に入っている写真なので、並べてみると思わずニヤニヤしてしまいますね」と嬉しそうだ。右下の冊子が、シカゴ撮影の際に撮りためた写真をまとめたZINE。写真のセレクトやレイアウト、製本まで自分で。自宅には写真家、佐内正史氏のプリント作品なども掛けているとのこと。

プリントを受け取った人の
喜ぶ顔が嬉しくて。

　「携帯やデジタルカメラで、“写真を撮る”という行為が気軽になったからこそ、プリントすることをより特別に感じるようになりました」と仲野太賀さん。忙しい日々でプリントする回数こそ減ったものの、大切に思う気持ちは変わらないどころか増している。今でも時間を作り、撮影したものをプリントしたり、プリントしたものを見返したり……。

「一人で酒を飲みながら眺めては、ニヤニヤする時間が至福なんです」といかにも嬉しそうに教えてくれた。

現場に来るなり「こうして写真の特集に出られるなんて、願ったり叶ったりです」と破顔した太賀さん。大量に持参したプリントから掲載する写真を選ぶため、じっくりと見返していた。

　小学生で初めてデジタルカメラを手にし、中学時代にフィルムカメラを手に入れてからは日々カメラを持ち歩き、撮影したものはほぼすべてプリントしていたという。

「ファインダーを覗いてシャッターを切った時のイメージよりも、プリントして現れてきたものの方がよりその時の空気感を孕はらんでいるように感じるんです。思い出に補正がかかるというか……、うまく言えないですけれど、フィルムに焼き付いた後の方がより“写っている”感覚がある。それが楽しくて、どんどん写真にのめり込んでいきました」

　中高生時代は修学旅行にもカメラを持っていき、大切な人やなにげない日々を撮り続けた。恋人にプリントをプレゼントしたのをきっかけに、人と共有する楽しさに目覚める。「自分で撮った写真でこんなに喜んでもらえるんだ！と、僕自身が嬉しかったんですよ。そうして事あるごとにプリントを贈るようにしていたら、友人たちの結婚や出産などの人生の節目に撮影させてもらう機会があったりして。やっぱりプリントして額装するのっていいなって、人に贈るたびに思います。僕が誰かにできることってそれくらいだから」

　太賀さんは「初めて訪れた土地はワクワクするし、すべてがキラキラして見えるからどうしても写真が撮りたくなりますね」と言う通り、撮影でシカゴを訪れた時にも、たくさん写真を撮った。そして自分でレイアウトして製本し、Z I N E にまとめて、撮影チームにプレゼントした。「二度と同じチームで仕事をすることはないかもしれないから、その瞬間を記録しておきたいと思って」。そうしてZINEに収められた人々の写真は、どれもリラックスした、楽しそうな表情が印象的だった。中には、太賀さん自身が写っているものも。現場で賑やかに、カメラを介して人の輪が広がっていた様子が目に浮かぶ。その場で一緒に時を過ごした人ならば、ページをめくって思い出が蘇る感覚はひとしおだろう。「撮影してからプリントが出来上がるまでに発生するタイムラグや、過去にプリントしたものを見返す時のタイムカプセル感も良いですよね。時間が経っても、写真を見返せばその時の気持ちを思い出させてくれる。それを人と共有できるのも、プリントの好きなところです」

　太賀さんにとって写真をプリントする行為は、誰かを喜ばせるために自然と自分ができること。人の手に渡った写真を介して、時間や距離を超えて同じ空気を吸っているのだ。

仲野太賀が考える、プリント写真の良いところ。

撮影時の空気感まで出力される。
タイムカプセルのような楽しさがある。
友達や大切な人と時間を共有できる。

photo/Yusuke Abe styling/Dai Ishii
hair & make/Masaki Takahashi text/Rio Hirai
edit/Taichi Abe

※上記はBRUTUS2023年10月16日発売号企画
「写真はもっと楽しい」の内容を引用掲載しています。

作原文子

インテリアスタイリスト

さくはら・ふみこ／岩立通子に師事した後、1996年に独立。モノの佇まいを大切にするスタイリングで、雑誌や広告、テレビCMや映画美術でも活躍。
www.mountainmorning.jp/

「好きな写真を、日常の風景に」

「プリントされた写真には、パーソナルな思いや記憶をより深く鮮やかに乗せられる気がします」と話すのは、人気インテリアスタイリストの作原文子さん。自分で撮影した写真を日々の生活空間に取り入れる楽しみについて、語ってもらった。

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1：窓のないキッチンの壁に、窓の写真をディスプレイ。ショールームのキッチンスペースに掛けた額装写真は、写真家、映像作家の奥山由之氏の作品。さまざまな家の不透明なガラス窓を外から撮影したシリーズだ。「キッチンの窓から向かいの家の窓を眺めているイメージ。写真の中の色に合わせて、淡い色彩の器や花をスタイリングしました」。
2：「好きなお皿にプリント写真を何枚か置くだけで、その人にとってのアートプレートになる。器と写真の色を合わせたり、植物を添えたりしてもいいですね」。
3：テーブルに板やトレーを置き、その上に写真を並べるのも簡単な飾り方。「手に持った時の質感やモノとしての存在感もプリントの魅力です」

プリントすることで
自分と写真の距離が近くなる。

「写真って、プリントして“形”にすることで日常になると思うんです」
　手のひらサイズの色鮮やかな写真をテーブルに並べながら、インテリアスタイリストの作原文子さんがそう話す。シンプルで居心地のよいこの部屋は、実は家具のショールーム。定期的に行う家具のレイアウト変更に合わせ、作原さんがスタイリングを手がけた空間だ。よく見ると壁にも棚にも、青空や建物の写真がさりげなく飾られている。その多くは、今年６月にデンマークのコペンハーゲンを旅した作原さんが自分のスマートフォンで撮影し、〈富士フイルム〉のスマートフォン用プリンター「instax Link」で出力したもの。

「コペンハーゲンは大学卒業後に初めての海外旅行で訪れた町。姉が20年以上住んでいることもあり、何度も足を運んだ大好きな場所なんです」
　いつも訪ねる店、大切な知人の家、行くたびになぜか撮ってしまう街角のゴミ箱。写っているのは２０２３年の街並みだけれど、作原さんにとっては、過去の幸せな記憶とつながる景色であり、自分の原点に立ち返らせてくれる光景でもある。
「この場所、昔は文房具店があったんだよね……なんて、写っていないものに思いを馳せることも含めて、プリントされた写真には、パーソナルな気持ちや温度を乗せられる気がします。どうしてかはわからないけれど、色彩も理由の一つかもしれません。スマホの画面で見るよりも、プリントにした方が色も質感もリアルに感じる。色彩で記憶が蘇ってくることもよくあります」
　自宅にも親しい写真家たちの作品を飾って楽しんでいるという作原さんは、日常空間にアートとしての写真を取り入れることを提案するプロジェクト〈マウンテンモーニング〉の活動も長く続けている。
「リビングでも玄関でもいいのですが、いつも通る場所に好きな写真が飾ってあって、風景として目に入ってくる。そういう瞬間が日々の活力になるし、ふとした時に背中を押してくれると思うんです」
　では具体的に何から始めたらいいのだろう？　作原さんは、自分で撮った写真をプリントして飾るのが、最初の一歩として最適だと言う。「例えば、小さめにプリントして瓶の中やボウルなどの器に入れてみる。マスキングテープで壁に貼るだけでもいい。１枚だと寂しい時は、雑誌の切り抜きなど質感の違う紙モノと重ねて留めると存在感が出ますよ」
　壁やパネルにたくさん並べて貼る飾り方もすぐ真似できそうだし、部屋の雰囲気によっては、モノクロでプリントしてもカッコいいはず。
「プリントの余白に撮影した日付や場所を書き込んだり、メッセージを書いてポストカードのように送ったりするのもいいですよね。そうやって手をかけることができるのも、“モノ”としての写真ならでは。手に持った時の質感や嵩みたいなものも、愛着につながる気がするんです。感覚でも向き合うことで、写真と自分の距離がぐっと近くなる。この楽しさが広がるといいなって思います

作原文子が考える、プリント写真の良いところ。

壁に貼る、棚に飾る。
日常に取り入れやすい。
思い出や幸せな感情が、
より鮮明に蘇る。
色彩や手触りなどでも
楽しむことができる。

photo/Jun Nakagawa text/Masae Wako
edit/Taichi Abe

※上記はBRUTUS2023年10月16日発売号企画
「写真はもっと楽しい」の内容を引用掲載しています。

高橋ヨーコ（左）

写真家

たかはし・よーこ／大学卒業後、写真家に。第一線で活躍する傍ら、旧ソ連など東欧での撮影を精力的に行う。2010年サンフランシスコへ移住した後、20年に帰国。著作多数。

伊藤徹也（右）

フォトグラファー

いとう・てつや／1968年生まれ。日本大学藝術学部写真学科卒業。ポートレートから料理、建築まで、ジャンルを問わずに活躍している。写真を担当した本に『酵母パン宗像堂』など。

「プリント写真は
　世界への“窓”に」

「写真をアートとして楽しんでもらいたい」と語る写真家の高橋ヨーコさんと、「プリントするまでがカメラマンの仕事」と言う職人気質のフォトグラファー、伊藤徹也さん。自宅に飾る自身の作品を持ち寄って、お互いの写真のこと、写真を飾ることの魅力を語ります。

高橋ヨーコの
そばにある写真。

1

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1：10年間暮らした自身のサンフランシスコでの日々をまとめた『SAN FRANCISCO DREAM』にも収められている一枚。額装の表板は無反射のアクリル板。
2：植物画で彩られた木製の額縁は旅先のフリーマーケットで、細い白縁はeBayで購入。「好みの額縁を見つけるとつい買っちゃう。せっかくだから、なんか入れるか、みたいな（笑）」。どちらも撮影地はサンフランシスコ。マウント加工せずにプリントをそのまま入れている。

伊藤徹也の
そばにある写真。

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1：タヒチ島の朝焼けの海。夜明け前から海に入り「その時」を切り取った一枚。「ガツッと空を切って16対９のパノラマに。雑誌などの印刷物と違って判型に縛られず好きな画角で見せられるのもプリントの良さ」。
2：何度も繰り返し見る写真集。左上から時計回りに、ヴィム・ヴェンダース『Pictures from the Surface of the Earth』『Journey to Onomichi』、リチャード・ミズラック『Desert Cantos』、荒木経惟『東京物語』。

毎日眺めていると、
物語が生まれてくる。

伊藤徹也　ヨーコさんの写真はより記憶に近い感じがして。光なのかな。見てると自分がその場所に行ったような気になっちゃう。これはどこ？
高橋ヨーコ　北米のイエローストーンに行く途中の湖です。自宅の階段の途中の壁に飾ってます。２階に上がるたびに目に入るんだけど、壁の向こうが湖みたいで、いいでしょ。
伊藤　窓抜け感。
高橋　そうそう。写真を飾るってことは、世界につながる窓を持つことだから。居間のあちこちにも写真を飾ってるんだけど、湖の写真は特に、その「窓抜け感」で選びました。伊藤さんが持ってきた写真は上海？
伊藤　ですね。家のトイレの壁に飾ってます。知り合いでも何でもない家族なんだけど、毎日見ているから思い入れが募っちゃって（笑）。
高橋　時代や時間が写ってます。

伊藤　足元の人工芝や服の色がいい感じでさ。20年近く前だからもうこんな上海は存在しないんだけどね。ところで、ヨーコさんは自分の写真を家に飾る照れくささはないです？
高橋　ないかな。飾りながら、どーだ！　いいねぇって思ってる（笑）。
伊藤　俺はちょっとあるんだよね。だから、もう一枚の朝焼けの海の写真は、廊下の足元に置いてます。
高橋　えー！　堂々と居間に飾って自画自賛しましょうよ。やっぱり写真は飾って「見て」なんぼでしょ。
伊藤　確かに。見ないと何も起こらない。毎日見ていると、物語が生まれてくる。上海の家族写真は、この赤ちゃん、もう大人だよなぁって、写真の続きや「向こう側」みたいなものを、想像して楽しんでます。
高橋　ほら、ね。やっぱり写真はつながっているんですよ。世界に。
伊藤　見れば見るほど想像が膨らんで細部に目が行くようになりますよね。ヨーコさんが言うように、写真は世界への窓でもあるし、世界をよく見るきっかけでもあるのかな。
高橋　あと、飾るってことで言うと、日本の家は壁が少ないのが残念です。すぐ棚にしちゃう。狭い中でも壁を作ってアートを飾る、という文化がまだ育ってない気がします。
伊藤　大きな壁に大きな写真が無理なら、小さくてもいい。小さいと近くでジッと見るから、いろんな情報が入ってきていいってこともある。
高橋　額装も大事だと思うなぁ。
伊藤　額ってハードルが上がる印象だけど、今は量販店に安い額もあるしね。写真家じゃなくても、みんな携帯であんだけ写真撮ってるんだから、プリントして額装したらいいと思う。そしたら、写真の見え方や撮ったものへの感じ方が変わるかもしれない。ヨーコさん、次にプリントして飾りたい写真、ありますか？
高橋　あるある。１万枚はある。そもそも好きなものを撮ってるんだから、全部、好きな写真だし。
伊藤　心が動かないとシャッターは切れないもんね。撮るってことは、心が動いた証拠でもある。そこから選んでプリントするんだから……。
高橋　いいに決まってます。だから伊藤さん、明日から堂々と自分の写真を居間に飾ってください！

高橋ヨーコと伊藤徹也が考える、
プリント写真の良いところ。

壁に掛ければ、世界とつながる「窓」に。
見れば見るほど想像が膨らみ物語が
生まれる。
“好き”に囲まれる生活は幸せだ。

photo/Jun Nakagawa text/Tami Okano
edit/Taichi Abe

※上記はBRUTUS2023年10月16日発売号企画
「写真はもっと楽しい」の内容を引用掲載しています。

写真をたのしむ
様々なアイデア

カタチも重みもある、
私たちらしい
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特別なのに
暮らしになじむ、
かけがえのないインテリア

大切な記憶に、
囲まれて過ごそう。

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熊切大輔

『写真だからこそ写る幸せ』

髙橋宣之

『幸福の場所』

三村漢

『風の背中』

中条望

『視線』

佐藤尚

『過去と現在をつなぐ 写真屋さん感謝の旅』

渡邉真弓

『確かなこと』

小山薫堂

『常連さん』

ハービー・山口

『幸せなTIMEGRAPHY』

松任谷正隆

『晩秋』

八幡宏

『中郡の手』

佐野史郎

幸せを感じる一枚『父のまなざし』

佐野史郎写真展「瞬間と一日」

仲野太賀

「共にした時間を共有する」

プリントを受け取った人の喜ぶ顔が嬉しくて。

仲野太賀 が考える、プリント写真の良いところ。

作原文子

「好きな写真を、日常の風景に」

プリントすることで自分と写真の距離が近くなる。

作原 文子 が考える、プリント写真の良いところ。

高橋ヨーコ（左）

伊藤徹也（右）

「プリント写真は 世界への“窓”に」

高橋ヨーコのそばにある写真。

伊藤徹也のそばにある写真。

毎日眺めていると、物語が生まれてくる。

高橋ヨーコ と 伊藤徹也 が考える、プリント写真の良いところ。

写真をたのしむ
様々なアイデア

カタチも重みもある、
私たちらしい
小さなかわいいアルバム

特別なのに
暮らしになじむ、
かけがえのないインテリア

大切な記憶に、
囲まれて過ごそう。

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『過去と現在をつなぐ　
　写真屋さん感謝の旅』

幸せを感じる一枚
『父のまなざし』

佐野史郎写真展
「瞬間と一日」

プリントを受け取った人の
喜ぶ顔が嬉しくて。

仲野太賀が考える、プリント写真の良いところ。

プリントすることで
自分と写真の距離が近くなる。

作原文子が考える、プリント写真の良いところ。

「プリント写真は
　世界への“窓”に」

高橋ヨーコの
そばにある写真。

伊藤徹也の
そばにある写真。

毎日眺めていると、
物語が生まれてくる。

高橋ヨーコと伊藤徹也が考える、
プリント写真の良いところ。